金沢区寺院について

明治維新の初めには金沢区内には39の寺院がありましたが、慶応4年(1868)に神仏分離令が施行され、それに関連した無住寺院廃寺令により21の寺院が姿を消しました。廃却された寺院の本尊等は残された寺院に移され、客仏として今も尊崇されています。

現在金沢区内には29の仏寺があります。

(内1寺は戦後の創建)

宗派別の内訳は次の通りです。


〇真言宗御室派:

      龍華寺(準別格本山、洲崎)

      慶珊寺・宝珠院・持明院(富岡)

      正法院・金蔵院・満蔵院・自性院(釜利谷)

      宝樹院(大道)

      染王寺(野島)

      薬王寺(寺前)

      三宝寺(金沢町)

      寶蔵院(柴町)


〇臨済宗建長寺派:

     長昌寺・悟心寺(富岡)

     太寧寺(片吹)

     東光禅寺(釜利谷)

     金龍禅院(瀬戸)


〇臨済宗円覚寺派: 

     泥牛庵(瀬戸)


〇真言律宗: 

      称名寺(別格本山)

      光明院(金沢町) 


〇曹洞宗: 

      禅林寺(釜利谷) 

      伝心寺(町屋)


〇浄土宗: 

      千光寺(朝比奈) 

      光傳寺(六浦) 


〇浄土真宗: 

      長生寺(六浦)


〇日蓮宗: 

      上行寺(六浦)

      安立寺(町屋)


 金沢区内の真言宗御室派の寺院が13寺と集中して非常に多いのは全国的に極めて特異とされています。

これは中世に六浦庄(ほぼ現在の金沢区)が御室派総本山の仁和寺(京都御室にある)の子院勝宝院の寺領であったことによるとみられています。源頼朝の庶子貞暁(じょうぎょう)は正室の政子に疎んじられ7歳のとき仁和寺に入り出家しました。修行の後勝宝院の院主になっていました。貞暁の母は大進局(藤原時長の女)で、京都へ戻された際この六浦庄を頼朝から与えられましたが、貞暁がこれを継承していたものです。

我が国に仏教が伝来して1500年近くになります。「現世の彼方にある存在」との交流の場としての寺院は、長い歳月、篤い信仰に支えられてきました。

金沢区内の寺院28ヶ寺の由来や縁起、貴重な文化財などを紹介する金沢区佛教会編「かなざわの霊場めぐり」改訂版が、装いも新たに約20年ぶりに発刊されました。仏教新聞に載せてあったので寺へ行って購入していました。

かなざわの霊場めぐり雑誌
かなざわの霊場めぐり雑誌